血液ガスに詳しくなって看護師のレベルを上げよう

血液の中には、酸素や二酸化炭素などのガスが含まれています。
このような血液ガスを分析することによって、身体の調子がわかります。

 

 

 

私たち人間の身体は、60兆個もの細胞から構成されています。
そして、その細胞は、酸化作用によって活動に必要なエネルギーを得ています。
ヒトが「酸素(O2)が無いと生きていけない」と言われるのは、
この生化学反応に酸素が必要だからです。

 

 

 

呼吸によって肺胞に取り込まれた酸素は、肺の毛細血管内血液へと拡散し、
そこでヘモグロビンと結合し、酸化ヘモグロビンとして全身の各細胞に運ばれます。
そして、細胞では、血液中から酸素だけが取り込まれ、
エネルギーの産生に使われます。

 

 

 

体内では、このような細胞代謝や食事によって「酸」が産生されますが、
その酸は、「揮発性酸(炭酸)」と「不揮発性酸(炭酸以外の酸)」に大別されます。

 

 

 

揮発性酸

 

 

 

揮発性酸の大部分は、炭水化物や脂肪の燃焼によってできる二酸化炭素(CO2)です。
そして、肺から呼気によって排泄(ガス交換)されます。

 

 

 

不揮発性酸

 

 

 

不揮発性酸は、蛋白質の代謝によってできるリン酸や硫酸などです。
そして、腎臓から排泄されています。

 

 

 

揮発性酸と不揮発性酸の排泄経路は、
体内のpHを一定に保つ酸塩基平衡の調節に深く関係しています。
つまり、腎臓と肺は、酸塩基平衡の調節器官としての役割を果たしています。

 

 

 

 

 

血液ガス分析の重要性には、「ガス交換(呼吸状態)と酸素化」、
「酸塩基平衡の指標となる」の2つがあります。

 

 

 

細胞の代謝には酸素が必要です。
ですから、血液ガス中の酸素の低下は、
全ての臓器や細胞機能の障害を意味します。
よって、血液ガスの異常が疑われるのは、呼吸器や心血管系、腎臓の疾患、
そして、中枢神経、消化器系、内分泌といった
生命維持に必要な機能そのものということになります。

 

 

 

血液ガスは、酸素と二酸化炭素だけと考えてしまいがちですが、
そうではなく、含まれる成分の多くは大気と同じように窒素(N)です。
ですが、窒素は、細胞代謝には殆ど影響を与えないので、
「潜水病」など以外ではデータとして取り上げられることはあまりありません。

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