アシデミアとアルカレミア 血液ガスの用語

アシデミアとアルカレミア

 

 

 

アシデミアとアルカレミア、アシドーシスやアルカローシスの意味の違いは、
酸素基経移行障害の概念を理解する上でとても重要です。

 

 

 

アシデミアとアルカレミアは、ともに「血液の状態」を示していますが、
アシドーシスとアルカローシスは、「血液が酸性、或いはアルカリ性になるような病態・変化」を示しています。
とくに、重症の患者さんによくみられる混合性酸塩基平衡障害の概念を理解する時にとても重要ですから、
しっかり区別して覚えることが大切です。

 

 

 

アシデミアとアシドーシス

 

 

 

アシデミアとは、血液pHが基準値である7.40±0.05よりも減少している状態、
つまり、pH<7.35になっている状態を示します。
そして、血液がアシデミア(酸性)になっている原因が、
たとえばCOPDによる換気不全によって体内にCO2が蓄積されているとすると、
この病態がアシドーシスということになります。

 

 

 

この場合の血液pHは、アシデミアになるのが通常ですが、
同時に嘔吐によるアルカローシスが加わると、
血液pHがどちらに傾くかは、
嘔吐によるアルカローシスが強ければアルカレミアになりますし、
COPDの病態が強ければアシデミアになるというように、
それぞれの病態の強さによって異なってきますが、
これが混合性障害です。

 

 

 

アシデミアやアルカレミアを理解することが、混合性障害を理解する第一歩です。

 

 

 

アルカレミアとアルカローシス

 

 

 

アルカレミアは、血液pHが基準値の7.40±0.05よりも増加している状態、
つまりpH>7.45の状態であることを示します。
そして、アルカローシスは、それをもたらした原因となる病態・変化のことを示します。

 

 

 

過呼吸症候群によってPaCO2が低下し、呼吸性アルカローシスを呈しているとき、
アルカレミアを示すのが通常です。
ですが、この状態の時に、糖尿病性ケトアシドーシスが加わると、
HCO3-の減少により、血液はアシデミアになることがあります。

 

 

 

このように混合性障害は複雑な病態を示しますが、
混合性障害を適切に見ていくためには、アシデミアとアルカレミア、
そして、アシドーシスとアルカローシスの概念の理解は欠かすことができません。


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