PaO2値が高い時

一般的に、PaO2値が高くても、特に大きな問題となることはありません。
SaO2の最高値は100%で、その値からどれだけ酸素を投与しても変化しないためです。

 

 

 

ですが、安定期PaCO2、HCO3-高値の患者さんに対しては注意が必要です。

アセスメントする

PaO2値が高い場合は、大きな問題にはなりません。
ですが、慢性呼吸不全の患者さんや、病名はついていなくても安定期のPaCO2やHCO3-が異常に高い人は、
高いPaO2は大きな問題になるので、注意してみていくことが必要です。

 

 

 

呼吸中枢は、通常PaCO2の上昇に伴い、呼吸回数を増やして換気を促すことでバランスを維持します。
ですが、PaCO2が常に高い場合は、PaCO2値での呼吸コントロールができません。
この場合は、PaO2値で呼吸をコントロールしている、
つまり、PaO2が低い→酸素が少ないから呼吸をするという形になっているため、
PaO2値が高くなると呼吸刺激が減少し、最悪の場合は呼吸停止になってしまいます。

 

 

 

慢性呼吸不全であるかどうか、
その人の通常のPaCO2やHCO3-の値はどのくらいかを確認する必要があります。

 

 

 

PaO2が高い患者さんの状態

 

 

 

PaO2が高い患者さんの呼吸状態は、比較的良好になっています。

 

 

 

酸素吸入をしている患者さんのPaO2が高いということは、
患者さんは良好な状態にあるといえます。
むしろ、必要以上の酸素を吸っている状態です。

 

 

 

ですが、中にはそれでも息苦しさを訴える患者さんもいます。
その主な原因は、貧血、精神的理由が考えられます。
また、何らかの理由で思うように息が吸えなかったりしている場合もあります。
例えば、着物の帯をきつく締めているなどです。

 

 

 

SaO2やPaO2がいくら正常値であっても、息苦しさを感じることがあるので、
患者さんの様子をよく観察・アセスメントしていくことが必要です。


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