塩基 血液ガスを理解するための用語

塩基は、H+が血液を酸性に傾けるのを打ち消す物質です。
塩基で最も重要なのは、HCO3-です。

 

 

 

塩基は、血液が酸性に傾くことを打ち消す物質

 

 

 

塩基は、血液が酸性に傾くことを打ち消す物質です。
H+を放出する物質が酸であるのに対し、その「H+を受ける物質」が塩基です。

 

 

 

例えばH2SO4は強酸で、SO4-2は強塩基で、
同じようにH2CO3は弱酸で、HCO3-は弱塩基です。

 

 

 

弱塩基には、代謝産物である酸から放出されたH+を受け取り、
体外に酸を排出させる作用がありますが、この作用は、
血液が酸性に傾かないように調節する緩衝作用であるといえます。

 

 

 

塩基の種類

 

 

 

HCO3-、HPO4 2-、CO-、SO4 2-、血漿蛋白、赤血球、
骨、細胞内蛋白などの塩基には、緩衝作用があります。

 

 

 

これらの塩基のなかでも最も重要なものは、HCO3-です。
HCO3-とは重炭酸イオンで、体内で一日に産生される
揮発性酸(CO2)の15000〜20000mEqを主に緩衝し、
また、腎臓から排泄される不揮発性の排泄にも働いています。
ですから、PaCO2とともに、酸塩基平衡の大切な指標になっています。

 

 

 

塩基過剰の状態を表す指標

 

 

 

緩衝作用を持つHCO3-、HPO4 2-、CO-、SO4 2-、血漿蛋白、赤血球、
骨、細胞内蛋白などの塩基がどれだけ増減しているかを示す指標が
「BE (base excess)」があります。

 

 

 

37.0℃、PaCO40Torrの標準血液を滴定し、
血液のpHを7.40とするためにはどれだけの酸や塩基が必要かを測定することが出来ます。
そして、この数値がマイナスであれば代謝性アシドーシスが疑われ、
プラスであれば代謝性アルカローシスが疑われます。

 

 

 

とはいっても、BEだけでは代償作用を評価することはできません。
血液の代謝性因子の指標として、BEはかなり有効なのですが、
呼吸性因子を評価することはできません。
ですから、あくまでも代謝性の酸塩基平衡の評価としてみることが重要です。

 

 

 

BEは血液の代謝性因子の指標としてはHCO3-よりも正確といえますが、
混合性酸塩基平衡障害を見る上では、HCO3-が適しています。

 

 

 

塩基に関しては、特にHCO3-とPaCO2が重要です。


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