血液ガス記号の成り立ち
記号を構成するアルファベットが示すのは、状態や採取部位で、
単語を読み取ることでデータの意味が理解できるようになっています。
ですから、血液ガスを理解するための用語は、
記号の成り立ち方である法則を理解すれば難しくありません。
法則を理解
血液ガスデータで使用する記号は、一定の法則によって構成されています。
似たような記号が多いので、覚えるのが難しいという人も多いですが、
法則を覚えてしまうと、そのデータの意味を理解することができますし、
その性質が何を指すのかも理解することができるようになり、覚えやすくなります。
では、「PaO2」をみてみます。
PaO2 の @「P」はガスの状態、A「a」は採取した部位、
B「O2」は元素記号を表しています。
@ 最初の大文字のアルファベットは、「ガスの状態」を表しています。
記号の最初の大文字のアルファベットは、ガスの状態を表しています。
「PaO2」の「P」は、pressre=圧力 を意味しています。
PaCO2の場合も意味は同じで、「P」は、pressre=圧力 を意味し、
「FiO2」の「F」は、fraction=割合、「SaO2」の「S」は、saturation=飽和度 などを表します。
A 2番目の文字のアルファベットは、採取した部位を表しています。
小文字の場合
記号の2番目の文字が小文字のアルファベットの場合は、、
血液(液相・血液などの種類)などの種類や採取した部位を表しています。
「PaO2」の「a」は、artery=動脈血を示しています。
「v」なら、vein=静脈血を示し、
「v」の文字の上に「-」がついたものでは肺動脈血(混合静脈血)を示します。
さらに「p」=percutaneous=経皮的など、採血部位を示すこともあります。
大文字の場合
記号の2番目の文字が大文字のアルファベットの場合は、
気体の種類を表していることになります。
例えば「I」であれば、inspiratory=吸気 を示し、
「E」であれば、expiratory=呼気を召しています。
仮に、PaO2が「PAO2」の場合、つまり、2番目の文字が大文字になっている場合は、
A=alveolar=肺胞気を示すことになるので、肺胞気酸素分圧となります。
B 綴りの最後は元素記号
綴りの最後は、「元素記号」を表してます。
「PaO2」の場合は「O2」の部分です。
記号の表記から意味がわかる
このように、血液ガス記号は法則に基づいて記号が表記されています。
ですから、その法則にしたがって読み解くことで、
その記号が何を意味しているのかを簡単に理解することが出来るのです。
例えば、「SaO2」は、酸素化の重要な指標です。
この「SaO2」と「SpO2」は、どのような意味で違いがあるのかというと、
記号の成り立ちを見れば一目瞭然です。
「SaO2」と「SpO2」のどちらも酸素飽和度を示していて、
「a」と「p」の部分が異なっています。
「a」は動脈血であることがわかり、
「p」は、経皮的であること、そして、採血部位であることがわかります。
つまり、「SaO2」は動脈血酸素飽度を示し、
「SpO2」は経皮膚的酸素飽和度を示しています。
そして、ここで経皮としているのは、パルスオキシメーターによって、
皮膚を介して測定した動脈血の酸素飽和度であるためです。
データ記号が示す主な単語
ガスの状態
P pressure 圧力
F fraction 割合
S saturation 飽和度
C(Ct) sontent 含有
液相(血液の種類)、採血部位
a artery 動脈血
v vein 静脈血
p percutaneous 経皮的
気相(気体の種類)
I inspiratory 吸気
E expiratory 呼気
A alveolar 肺胞気